ここでは包丁研ぎに使われる3種類の砥石について詳しく紹介していきたいと思います。
家庭で包丁を研ぐのに必要な砥石を揃えるための参考にしてみてください。
包丁研ぎ初心者でもここさえ理解しておけばOKですよ。
砥石は3種類あります
砥石は「砥粒」と呼ばれる、砥石を形成する粒子の数によって粗さに違いがでます。
この粒子の粗さによって、砥石は3種類に分類されるんです。
種類分けの基準となる「番手」
ちなみに、砥石の種類分けの基準となるのが「番手」です。
番手というのは、砥石の粗さを数値で表すときの単位みたいなものですね。
商品を見ると、「#400」や「#2000」のように「#」によって表されているんですが、砥石はこの数値を参考に選ぶ必要があります。
お分かりのとおり、数字が大きくなるほど砥石はきめ細かいということです。
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「荒砥」と「中砥」と「仕上げ砥」
そして、上記の基準をもとに分けられた3種類の砥石が「荒砥」「中砥」「仕上げ砥」になります。
それぞれを表す番手はこちらを参考にしてみてください。
- 荒砥・・・#80~#320
- 中砥・・・#400~#2000
- 仕上げ砥・・・#3000~
境目はあくまでも一般的な目安として考えておきましょう。
砥石メーカーによっては多少のズレがありますが、その際は「荒砥」「中砥」「仕上げ砥」の表記をもとに選んでもらって構いません。
例えば大手刃物メーカー「貝印」では、#400を荒砥、#1000を中仕上げ砥として販売しています。
包丁を研ぐのに慣れてくると、この微妙な番手の違いで好みが分かれてくると思います。
ここからはそれぞれの砥石の特徴を1つずつより詳しく紹介していきますね。
1、荒砥の特徴と使い分け
まずは荒砥の特徴から。
荒砥の番手は「#80~#320」でしたね。最も砥粒の粗い砥石です。
荒砥は包丁が欠けたときに使う砥石
砥粒が粗いということは、砥石の表面がザラザラしていて包丁の刃を削りやすいということ。
つまり荒砥はガッツリと包丁の刃を研ぎたいときに使われる砥石ということです。
ただし注意してください。
このクラスの番手になると包丁を傷つけてしまうレベルの粗さをしているため、荒砥を使うシーンは包丁が欠けてしまったときに限ります。
よほどのことがない限り家庭で使うタイミングはない砥石ともいえます。
ですから砥石は、これのあとに紹介する「中砥」と「仕上げ砥」の2つをセットで購入することが多いんです。
実際に多くのメーカーが販売する砥石セットはこの2つのことを指します。
- 荒砥は基本的に包丁の刃が欠けたときに使うもの
- #320以下の砥石は傷がつきやすいので研ぎすぎに注意
2、中砥の特徴と使い分け
続いて中砥の特徴です。
中砥の番手は「#400~#2000」。包丁を研ぐときはこの中砥をメインで使います。
中砥をメインに包丁を研いでいく
家庭で包丁を研ぐときは、多くの場合この中砥1つで済ませてしまうことが多いです。
#400~#2000と幅が広いこともあり、#400付近は荒砥に近く、#2000付近は仕上げ砥に近い特徴があります。
例えば、#400は荒砥に分類されることもあり、初心者でも包丁が研げている感触が分かると思います。
非常に研ぎやすいです。
だからこそ、中砥を選ぶときは番手にも注目して選ぶことをおすすめします。
#1000くらいの砥石が中砥として無難かもしれません。
- #400付近は荒砥に近く非常に研ぎやすいが、研ぎすぎには注意が必要。
- #2000付近は仕上げ砥に近く綺麗に研げるが、研ぐのに時間がかかる。
3、仕上げ砥の特徴と使い分け
最後に仕上げ砥の特徴です。
番手は#3000以上。非常に砥粒のきめ細かな砥石です。
仕上げ砥は切れ味を持続させるために使う砥石
砥粒がきめ細かいということは、研いでも包丁の刃の表面が削れにくいということ。
これ一つで包丁を研ごうとすると非常に時間がかかります。
仕上げ砥とは、その名の通り包丁を研ぐ仕上げに使う砥石のことなんです。
イメージとしては、包丁を研ぐというよりも刃の表面を磨くといった方が良いかもしれません。
刃の表面を磨き上げることで包丁の切れ味が持続する。
仕上げ砥を使う使う目的はずばりこれですね。
ちなみに、人によっては#5000くらいの砥石を使う人もいます。砥粒がきめ細かいほど磨きやすくなるということです。
- 仕上げ砥で包丁の刃を磨き上げることで切れ味が長く持続する
- 砥粒が非常にきめ細かいため、これ1つでは研ぐのに時間がかかる
まずは「中砥」→「仕上げ砥」→「荒砥」の順に揃えよう
家庭で包丁を研ぐのに必要な砥石というポイントから見ると、
- 中砥
- 仕上げ砥
- 荒砥
の順番で揃えていくことをおすすめします。
包丁のことを考えると、それぞれ1つづつ置いておくのがベストなんですが、実際のところ中砥だけでも十分に研げます。
ただ、特に仕上げ砥なんですが、これを使うのと使わないのでは切れ味の持続が全然違いますね。
何回か研いだりしていると、切れ味の持続時間の違いが感覚的に分かってくると思います。
これは、仕上げ砥がちゃんと使えているかの違いです。
包丁を1度も研いだことない初心者も多いと思いますから、少しずつ慣れていけると良いですね。
砥石だけじゃない!包丁を研ぐためのグッズ
基本的な砥石の使い方は上記の通りです。
包丁をしっかりと研ぎたいのであれば、紹介した砥石の種類を上手く使い分けるのがポイントですね。
とはいえ、砥石以外にも包丁を研ぐグッズはあります。
砥石とシャープナーはどっちを使うべきなの?
例えば、最近家庭向けの包丁研ぎグッズとして注目されている「シャープナー」。
「シャープナーと砥石のどっちを選べばいいの?」なんて悩みは良くありますね…。
結論から言ってしまうと、シャープナーよりも砥石を使って包丁を研ぐのがおすすめです。
理由は下記の記事で詳しくまとめてあるんですが、シャープナーって包丁の刃を傷つけてしまうんですよ。
初心者だからこそ、最初から砥石を使って包丁を研ぐ習慣をつけることをおすすめします。
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砥石で包丁を研ぐ際のサポートグッズ「包丁研ぎホルダー」
さらに、砥石と合わせて使うと便利なグッズもあります。
それは「包丁研ぎホルダー」です。包丁を研ぐ際の角度を固定するためのグッズですね。
初心者が砥石を使って包丁を研ぐときに一番気を付けたいのが角度なんですよ。
出刃包丁や柳刃包丁は角度が分かりやすいんですが、三徳包丁や牛刀は正しい角度が分かりづらいんですよね…。
包丁研ぎホルダーを使えば、初心者でも正しい角度で包丁を研げるようになります。
砥石とセットで購入することをおすすめします。
砥石のメンテナンスについて
最後に砥石のメンテナンス方法も軽く紹介。
砥石は使えば使うほど面が削れてボコボコになってきます。
砥石の面を平らにしておかないと、包丁は綺麗に研ぐことができません。
ですから定期的に砥石の面直しをしてあげる必要があるんです。
ちなみに面直しには「修正砥石」と呼ばれるものを使います。
包丁だけでなく、砥石自体のメンテナンスもしっかりやっておきたいですね。
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