青紙、白紙、黄紙って何?包丁に使われている炭素鋼の規格まとめ

炭素鋼のランク 包丁の種類

出刃包丁や柳刃包丁など、多くの和包丁に使われている炭素鋼。

料理好きならこれら和包丁の購入を検討している人も多いと思いますが、まずは材質の特徴をしっかり押さえておくことが大切です。

鋼はステンレスと違って扱いの難しい素材。

鋼材の特徴を理解しておくことで、包丁の管理やメンテナンスもしやすくなるんです。

炭素鋼の規格は主に6種類

まずは、炭素鋼の代表的な規格(種類)をご覧ください。

  • 白紙1号
  • 白紙2号
  • 白紙3号
  • 黄紙2号
  • 青紙1号
  • 青紙2号

これ以外にもあるんですが、この6種類が大まかな分類ですね。

実際に一度、出刃包丁や柳刃包丁の商品詳細を見てみてください。材質の項目にこれらの記載があるはず。

 

この6つにどんな特徴的な違いがあるのかを、これから少しずつ紹介していきたいと思います。

なぜ「紙の色」で種類分けされているのか?

「白紙」「黄紙」「青紙」というように、規格が紙の色で表されるのには由来があります。

もともと、包丁製造現場で鋼材を区別するために、「色の付いた紙」を張り付けて区別をしていたんです。

これが規格名の由来です。

炭素鋼の規格分けの基準

炭素鋼の規格分けの基準は、含まれる化学成分の量によって変わります。

含まれる化学成分がこちら。

  • 炭素(C)
  • ケイ素(Si)
  • マンガン(Mn)
  • リン(P)
  • 硫黄(S)
  • クロム(Cr)
  • タングステン(W)

ちなみに、規格分けに大きく影響するのは「炭素」「クロム」「タングステン」の3つです。

つまりこの3つの化学成分量の違いによって、包丁の刃の特徴に違いが出てくるということ。

炭素鋼の化学成分表

ちなみに実際の数値はこんな感じになっています。

規格 科学成分
炭素(C) ケイ素(Si) マンガン(Mn) リン(P) 硫黄(S) クロム(Cr) タングステン(W)
白紙1号 1.25~1.35 0.1~0.2 0.2~0.3 ~0.025 ~0.004
白紙2号 1.05~1.15 0.1~0.2 0.2~0.3 ~0.025 ~0.004
白紙3号 0.08~0.9 0.1~0.2 0.2~0.3 ~0.025 ~0.004
黄紙2号

1.05~1.15

0.1~0.2 0.2~0.3 ~0.03 ~0.006
青紙1号 1.25~1.35 0.1~0.2 0.2~0.3 ~0.025 ~0.004 0.3~0.5 1.5~2
青紙2号 1.05~1.15 0.1~0.2 0.2~0.3 ~0.025 ~0.004 0.2~0.5 1~1.5

数値を見てもパッとしないと思いますが、 まず注目すべきところは炭素の量ですね。

1号から3号になるにつれて炭素量は減少していきます。

 

次は、クロムタングステンに注目。

この2つは青紙にしか含まれません。

これも数字が大きくなるにつれ量が減少していきます。

青紙、白紙、黄紙の特徴と違い

上記では数値上の違いを見てきましたが、ここからは実際に包丁の刃にどんな特徴が出てくるのかを紹介していきたいと思います。

簡単に図にまとめてみたのでご覧ください。

炭素鋼のランク

基本的には、上に行くほど良い包丁に使われます。

簡単にいってしまえば、青紙がプロ向けの包丁で、白紙や黄紙が家庭向けといったランク付けです。

  • 青紙・・・プロの料理人が使うこだわりの包丁
  • 白紙・・・家庭で使うにはこれで十分
  • 黄紙・・・比較的安価に購入できる包丁

白紙1号、白紙2号、白紙3号の違い

炭素量によって変化するのは、包丁の靭性(しなやかさ)硬さです。

 

「靭性」はしなやかさのことで、これが高いほど包丁の刃が欠けにくいという意味になります。

「硬さ」は切れ味の良さだと思ってもらって構いません。

 

白紙2号を基準として比較すると、下記のような違いが出てきます。

  • 炭素量が多い(白紙1号)・・・靭性が低く、硬い
  • 炭素量が少ない(白紙3号)・・・靭性が高く、柔らかい

切れ味の良さを選ぶのか、刃の欠けにくさを選ぶのかという話です。

迷ったときはバランスの取れた白紙2号を選ぶのをおすすめします。

 

ちなみに、青紙1号と青紙2号の違いもこれに当てはまります。

青紙と白紙の違い

青紙と白紙の違いは、クロムとタングステンが含まれているかいないかの違いでした。

具体的にこの2つの化学成分が含まれていると何が良いのか…。

 

クロムとタングステンが添加されることにより変わるのは包丁の耐摩耗性です。

「耐摩耗性」というのは簡単に言うと切れ味の持続性。

つまり耐摩耗性が高くなることで、青紙で作られた包丁は一度研いだら長い間切れ味が続くんです。

 

ただし、包丁の刃が強くなったことにより少し研ぎにくくなるのも知っておきましょう。

高級素材なだけはありパフォーマンスは1番ですが、包丁研ぎに慣れていない初心者には不向きですね。