「青紙スーパー」って聞いたことありますか?
包丁に使われる鋼の1種なんですが、実は鋼包丁の中でも最も切れ味が良い規格だといわれているんです。
ここではそんな青紙スーパーが使われた包丁の特徴を紹介したいと思います。
青紙スーパーとは?炭素鋼の規格の1種
青紙スーパーは鋼の規格の1種です。
具体的には「炭素鋼」といって、いわゆる鋼包丁に使われる鋼ですね。
同じ炭素鋼でも、含まれる化学成分の含有量によって、包丁の素材としての質が変わってくるんですよ。
炭素鋼の規格について
炭素鋼の規格は主に3種類に分けられます。
「白紙」「黄紙」「青紙」の3つです。
さらにその中でも「白紙1号」「白紙2号」「白紙3号」「黄紙2号」「青紙1号」「青紙2号」と細かく分けられます。
包丁の素材としての性能につきましては、下記の記事に詳しくまとめてあるので参考にしてみてください。
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ここでは代表的な6つの規格を紹介していたんですが、実は青紙スーパーと呼ばれる規格もあったんですよね。
青紙は他の規格と比べ硬度が高く切れ味の良い特徴があるんですが、青紙スーパーはその中でも最も切れ味が良い規格とされています。
最上位に位置する鋼材ともいえるかもしれません。
青紙スーパーは最も切れ味の良い鋼包丁
青紙スーパーは青紙の中でも最も切れ味の良い鋼です。
以前「包丁の切れ味は鋼材の硬度で決まる」といった記事を書きましたが、青紙スーパーは相当硬度が高いんですよ。
上記の記事で詳しく紹介しているんですが、鋼材の硬度は「HRC」と呼ばれる数値で表されています。
通常のステンレス包丁の硬度がHRC58~60くらいで、HRC60以上の鋼材は切れ味の良い包丁といっても良いでしょう。
青紙スーパーは硬度HRC67を誇る切れ味
青紙スーパーのHRCはいくつだと思いますか…?
なんと青紙スーパーはHRC67。素人が使うにはある種オーバースペックともいえるほどの包丁だと思ってもらって良いでしょう。
ちなみにステンレス包丁の中で切れ味が良いといわれる「V金10号」ですが、これでだいたいHRC61くらい。
これを考えると青紙スーパーのHRC67がいかにすごいかが分かるんじゃないでしょうか。
青紙スーパーの包丁は研ぎづらいのか?
とまぁ、切れ味は鋼包丁の中でも最高峰と言われる青紙スーパーですが、一つ不安要素もあります。
それは研ぎづらさです。
硬度の高い包丁は切れ味が良いですが、硬いことが災いして研ぎづらいというのが難点。
包丁研ぎ初心者が鋼の包丁を購入するなら、研ぎやすさと切れ味のバランスがとれた白紙2号あたりがおすすめだったりします。
ステンレスよりも鋼は研ぎやすい
硬度が高ければ(HRCの数値が高ければ)高いほど包丁は研ぎづらくなるんですが、ステンレス鋼と炭素鋼では研ぐ感触が異なります。
HRCが同じ数値でも、炭素鋼の包丁の方が研ぎやすく感じるでしょう。
先ほど、「青紙スーパーがHRC67」で「V金10号がHRC61」と紹介しましたが、両者は同じような感覚で研ぐことができるといわれています。
となると青紙スーパーが極端に研ぎづらいというわけでもないということです。
比べてしまうと研ぎづらさを感じるでしょうが、包丁研ぎは慣れも大きいですからね。
砥石の使い分けでもカバーすることができるので、分かってさえいればさほど心配するところでもないのかもしれません。