ここでは「和包丁」と「洋包丁」の違いを紹介します。
三徳包丁や牛刀など、いくつかの包丁に関してはその境目がなくなりつつありますが、包丁の種類を大きく二分するうえで欠かせないポイントです。
包丁は「和包丁」と「洋包丁」の2種類
大前提として、現在日本で使われている包丁は和包丁か洋包丁かに分類されます。
もともとは、
- 和包丁・・・日本で昔から使われてきた包丁
- 洋包丁・・・明治以降、西洋から伝わってきた包丁
という区別の仕方がされます。
ちなみに、包丁を種類ごとに分類してまとめた記事もあるので、興味があれば覗いてみてください。
いろんな種類の包丁をまとめているので、一度全体像を見ることで和包丁と洋包丁の区別もしやすくなると思います。
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和包丁と洋包丁の見分け方。刃の付き方に注目です
和包丁と洋包丁の見分け方のコツは「刃の付き方」に注目することです。
一般的には、
- 和包丁・・・片刃(両刃のものもある)
- 洋包丁・・・両刃
と呼ばれる刃の付き方をしています。
ただし、この後詳しく紹介するんですが、一部和包丁の中には両刃のものもあるので注意してください。
とはいっても、一般家庭で使われるような包丁は「和包丁=片刃」、「洋包丁=両刃」と思っておいてもらって構いません。
両刃の和包丁はプロの料理人向けの包丁なので、よっぽど料理にこだわりがない限り一般家庭で使うことは少ないでしょう。
和包丁は片刃、洋包丁は両刃とは限らない
「和包丁=片刃」「洋包丁=両刃」とは限らないと紹介しました。
案外こう思っている人も多いと思うんです。
実際ほとんどの包丁がこれに当てはまるので、基本的にはこの考えで構わないんですが、和牛刀など一部両刃の和包丁があることも知っておくとよいでしょう。
具体例が下記になります。
和包丁に分類される「三徳包丁」と「牛刀」もある
それでは「和包丁=片刃」「洋包丁=両刃」に当てはまらない包丁を少し見てみたいと思います。
包丁の種類をまとめた記事を見てもらえば分かるんですが、一般的に日本で見かける「三徳包丁」と「牛刀」は洋包丁に分類されます。
ややこしいんですが、実はこの2本「和三徳包丁」や「和牛刀」、「和ペティ」と呼ばれる、和包丁に分類されるタイプもあるんです。
和三徳包丁と三徳包丁の見分け方
一般に販売されている和三徳包丁と三徳包丁の違いは主に「柄」にあります。
見分けるときはここに注目。
和三徳包丁は、出刃包丁や柳刃包丁に使われている柄と同じ素材で作られているんです。
また、素材は一般使いが便利な「ステンレス」タイプもあれば、和包丁特有の「鋼」を使ったタイプもあります。
パッと見は刃の薄い出刃包丁みたいですね。
和牛刀と牛刀の見分け方
和牛刀は一般的に普及している牛刀にはない「しのぎ」がついているので、2つを見分けるときは刃に注目してみましょう。
実は通常の牛刀同様に「両刃」なんですが、しのぎがついているおかげで非常に研ぎやすくなっています。
ちなみに和三徳包丁同様、ステンレスと鋼どちらのタイプもあります。
和食の料理人は、出刃包丁や柳刃包丁などの中に洋包丁が混ざるのを嫌って、この和牛刀を使う人が多いですね。
これらのことから、和牛刀や和三徳包丁は職人さん向けの商品がほとんどです。
値段もそれなりにするので、料理にこだわる人向けの包丁といったイメージ。
洋包丁に分類される出刃包丁もあります
和牛刀や和三徳包丁とは逆パターンで、「洋出刃包丁」というのもあります。
主に西洋で使われているんですが、西洋では魚を捌く包丁も両刃なんですね。
日本の出刃包丁と混同しないように洋出刃包丁なんて呼び方をしているわけです。
ちなみに見た目はほぼ牛刀なんですが、日本の出刃包丁のように刃が厚く丈夫に作られています。
和包丁と洋包丁の使い分けは?
「なんとなく分類は分かったけど、どうやって使い分けるのがベストなの?」
和包丁と洋包丁は包丁の種類を二分する大きなくくりに過ぎないので、使い分けと言われても難しいです。
上記で紹介した通り、現在は種類分けの境があいまいな包丁も出てきましたからね。
ただし、それぞれ
- 和包丁・・・魚と野菜の調理が得意な包丁が多い
- 洋包丁・・・肉の調理が得意な包丁が多い
という特徴があるので、料理好きならこれを基準に2つの包丁をうまく使い分けてみるのも面白いと思います。
万能包丁である「三徳包丁」や「牛刀」が登場してから、包丁は1本あれば十分になりましたが、最近は1週回って「出刃包丁」や「柳刃包丁」など専門的な包丁をそろえる家庭も増えています。
和包丁と洋包丁を使い分けることも珍しくありません。
和包丁と洋包丁は「切り口」が違う
また、和包丁と洋包丁を使い分けるうえで知っておきたいのが「切り口」の違いです。
正確に言うと「片刃」か「両刃」かによる違いなんですが、刃の付き方がちょっと違うだけで切り口が変わるんですよ。
素材の切り方にこだわるプロは、当然ここまで意識して使い分けています。「切り口の違い=口当たりの違い」ですからね。
和包丁と洋包丁は「切り方」が違うって本当?
包丁は「押し切る」のが得意なものと、「引き切る」のが得意なものがあるんですが、これは和包丁と洋包丁で分類することができません。
例えば、調理用途が非常に似ている「三徳包丁」と「牛刀」にも、切り方に違いがあるんですよね。
和包丁と洋包丁に関わらず、包丁の種類1本1本に正しい使い方というものがあるんです。
料理センスのある人は、感覚的にここを見極められると思いますが、試しに一度包丁の使い方を見てみると意外な発見があるかもしれませんね。