ここでは「ダマスカス」包丁の全てをまとめました。
- ダマスカス包丁って何?特徴は?
- おすすめのダマスカス包丁を教えて!
などなど…。これからちょっと良い包丁を購入しようとお考えのあなたに向けた情報を紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
おすすめのダマスカス包丁まとめ
まずは家庭向きのおすすめダマスカス包丁を見てみましょう。
ダマスカス包丁といえば刃の表面にある模様が特徴的ですが、メーカーによってもデザインが異なるんですよ。
安価なダマスカス包丁が欲しいなら「関孫六」
貝印「関孫六」のダマスカス包丁は、比較的安価で購入できるので人気があります。
安価なダマスカス包丁が欲しいという人にはこれがおすすめ。
また、貝印のダマスカス包丁は、比較的シンプルでスタイリッシュな波形模様なのが特徴ですね。
ごちゃごちゃしすぎたデザインが苦手な人にも合うと思います。
ちなみに包丁の種類は三徳包丁に限らず、牛刀、ペティナイフ、パン切り、菜切り包丁など、基本ラインナップなら全て揃いますよ。
世界的に評価されている日本のダマスカス包丁「旬」
関孫六よりも価格が高く、上位シリーズともいえます。
ナイフ業界最高峰の「Knife Of The Year」と呼ばれるアワードの包丁部門で、10度も受賞するほどの知名度と人気。
ミシュランレストランのシェフにも認められる品質を誇ります。
家庭用の包丁の中では最高峰といっても良いでしょう。
切れ味とデザインを兼ね備えたダマスカス包丁「雅 5000MCD」
中でも5000MCDは特別性で最高位に位置します。
刃の表面の「フラワーダマスカス紋様」だけでなく、ハンドルには波模様の天然カバ材を使用してあります。
数ある包丁の中でもデザイン性はトップクラス。もちろん切れ味も一流です。
ダマスカス包丁に使われている素材は「ダマスカス鋼」
ここからは、ダマスカス包丁について詳しく見ていきたいと思います。
ダマスカス包丁に使われているのは、「ダマスカス鋼(ダマスチール)」と呼ばれる素材です。
名前の由来は、古代インド産の「ウーツ鋼」を使用し、シリアのダマスカスで刀剣に使われていたからと言われています。地名がもとになっているんです。
しかし、今現在ダマスカス鋼と呼ばれている鋼はそれとは少し違います。
現代のダマスカス鋼
過去にダマスカス鋼を使って作られてきたものをちょっと紹介。
- 刀剣
- 鉄砲
- 刃物(包丁、ハサミなど)
- ナイフ・フォーク etc
これらに使われていたダマスカス鋼は、「るつぼ」と呼ばれる金属を溶かすツボを使って製鋼(原料から鉄鋼を作ること)されることによって、自然とあの波形のようなダマスカス模様がついていました。
しかし、現在は素材の異なる金属を組み合わせて模様を浮かび上がらせた鉄鋼(積層鋼)も、ダマスカス鋼と分類しています。
実は過去に作られていたダマスカス鋼は再現することができないんです。
現在ダマスカス包丁に使われているのは過去のものとは違うということは知っておきたいですね。
ダマスカス包丁の特徴
ダマスカス包丁の大きな特徴は「切れ味」「強度」「デザイン性」にあります。
あなたもダマスカス包丁には「最高級の家庭用包丁」というイメージを持っていると思いますが、実際に海外の料理人も認めるほどの価値ある逸品なんですよ。
ダマスカス包丁の切れ味は?
ダマスカス包丁と聞くと「切れ味」の良さを想像するかもしれませんが、現在のダマスカス鋼は昔と違い「鋼の表面をステンレスで加工したもの」など、複数の金属を積み重ねた「積層鋼」です。
ですから正確に言うと、「ダマスカス=切れ味」が良いというよりは、その中に使われている鋼の質によって変化するんですよね。
といっても、現在のダマスカス鋼の切れ味が他の包丁と比べ優れていることは間違いありません。
かつて刀にも使われていた素材を再現するため、切れ味にもかなりのこだわりがあります。
ダマスカスを名乗る包丁は良い鋼が使われていることが多く、鋼が使われている分、通常のステンレスよりも切れ味が良いという考え方もできますしね。
ダマスカス包丁は錆びない?
「鋼=錆びやすい」
「ステンレス=錆びにくい」
という特徴がありましたが、両方が混ざっているダマスカス包丁はどうなんでしょうか?
現在日本のダマスカス包丁に使われているのは、主に「モリブデン鋼」と呼ばれる鋼です。
これが非常に強度の高い素材で、鋼の割には錆びにくいと言われています。
鋼の包丁はちょっと水につけておくだけですぐ錆び付くんですが、ダマスカス包丁なら少なくとも家庭で使う分には全く問題ないですよ。
デザイン性の高いダマスカス模様
ダマスカス包丁の一番の特徴といっても良い「波形模様」。
実はこの模様にも数種類あるんですが、「ダマスカス包丁=波形模様」というくらい、このデザイン性には魅力があります。
かつてのダマスカス鋼は特殊な製造過程で自然とこの模様が出ていたと考えられているんですが、この刀を持つことはある種のステータスみたいに考えられていたそうです。
現在は鉄鋼を積み重ねることで再現した模様ですが、やはり引き付けられるものがありますね。
ダマスカス包丁は、今や料理好きなら1度は使ってみたい憧れの包丁です。
ただし、中にはダマスカス模様だけを再現して切れ味が良くない商品もあるので、ダマスカス包丁を購入するときは使われている鋼材等をよく確認する必要があります。
ダマスカス以外にも包丁のデザイン(仕上げ)はたくさんある
包丁の特殊な仕上げ方(デザイン)は今回紹介した「ダマスカス包丁」が有名なんですが、実は他にもいくつか種類があるんですよ。
有名どころは、
- 黒打ち
- 鎚目
- ダマスカス(墨流し)
- 霞
の4つです。
包丁にこだわる人は選ぶときにここまで注目してみると面白いと思いますよ。
簡単に特徴をまとめておきますね。
黒打ち
実用性を重視した包丁。
1部製造過程を省いていることもあり比較的安価で購入できます。
鎚目(つちめ)
刃の上の平らな部分にある凹凸が特徴。
食材との接地面が少なくなるため、切るときの抵抗が少なく、切った食材が包丁にくっ付きづらいです。
ダマスカス(墨流し)
今回紹介したダマスカスです。
メーカーによって、「積層鋼」「ダマスカス仕上げ」「墨流し」といった呼び方がされることもあります。
一番人気のある仕上げ方ですね。
霞
主に和包丁に使われる仕上げ方。
研磨剤を使って刃を霞ませるんですが、その度合いによって値段も変わってきます。
ダマスカス包丁を選ぶときは模様に惑わされないように注意
現代で作られているダマスカス包丁に使われている鋼材は、かつてのダマスカス鋼とは違います。
とはいえ、ダマスカス模様は今でも切れ味の良い包丁の象徴として料理好きの間で人気を集めていることに違いはありません。
料理好きが憧れる包丁です。
とはいえ先ほども紹介した通り、「ダマスカス模様のある包丁=切れ味の良い包丁」とは限らないことは理解しておきたいところ。
安い素材でも模様を付けるだけなら簡単なんですよね…。
金額からもある程度想像できると思いますが、ダマスカスの模様に惑わされず、使われている鋼材にまで注目して見ましょう。
切れ味の良い包丁はやはりそれなりの値段がしますし、使い比べてみるとやっぱり使用感が違います。
ダマスカス包丁は確実に一生ものの包丁になりますから、よくよく詳細を調べてから選ぶようにしたいですね。