包丁に使われている鋼材の種類と特徴まとめ

包丁 包丁の種類

ここでは、包丁に使われている「鋼材」について詳しく紹介していきたいと思います。

細かく分ければいろいろな種類があるんですが、今回は代表的な素材を中心に見ていきましょう。

包丁に使われている代表的な鋼材の種類

まずは代表的な4種類の鋼材をピックアップしてみました。

  • 炭素鋼・合金鋼
  • ステンレス鋼
  • 粉末ハイス鋼
  • セラミック

家庭用の包丁に使われている素材から、プロの料理人が使う包丁に使われている素材まで様々です。

ちなみに包丁メーカーは、鋼材メーカーが作った鋼材を使って包丁を作ることがほとんど。

これはいわば包丁の核となる重要な要素です。

 

それでは順番に鋼材の特徴を見ていきましょう。

炭素鋼・合金鋼の特徴

1つ目は「炭素鋼・合金鋼」です。

実際の包丁商品詳細には「白紙」「黄紙」「青紙」といった規格で細かく分けて記載されています。

 

もしかしたら、包丁を選んでいる時に見かけたことがある人もいるかもしれませんね。

主に和包丁に使われる素材です。

炭素鋼・合金鋼の規格分け基準

実は、炭素鋼・合金鋼の中でも細かい規格分けがあります。

白紙、黄紙、青紙の3種類に分けられるんですが、これは鋼材に含まれる炭素の量によって変わります

 

例えば白紙や黄紙は、不純物をほとんど含まない純粋な炭素鋼のことを指します。

青紙は、「クロム(Cr)」や「タングステン(W)」を加えることで、熱処理や耐摩耗性を良くした鋼材です。

  • 白紙、黄紙・・・不純物がほとんど含まれない純粋な炭素鋼
  • 青紙・・・タングステン、クロムを添加した鋼材

ちなみにこれら3つの規格の中でもさらに細かい分類があります。

表にまとめるとこんな感じ。

規格 科学成分
炭素(C) ケイ素(Si) マンガン(Mn) リン(P) 硫黄(S) クロム(Cr) タングステン(W)
白紙1号 1.25~1.35 0.1~0.2 0.2~0.3 ~0.025 ~0.004
白紙2号 1.05~1.15 0.1~0.2 0.2~0.3 ~0.025 ~0.004
白紙3号 0.08~0.9 0.1~0.2 0.2~0.3 ~0.025 ~0.004
黄紙2号

1.05~1.15

0.1~0.2 0.2~0.3 ~0.03 ~0.006
青紙1号 1.25~1.35 0.1~0.2 0.2~0.3 ~0.025 ~0.004 0.3~0.5 1.5~2
青紙2号 1.05~1.15 0.1~0.2 0.2~0.3 ~0.025 ~0.004 0.2~0.5 1~1.5

プロの料理人はここまでこだわって包丁を選びます。

詳しい特徴の違いは下記の記事にまとめてあるので参考にしてみてください。

炭素鋼・合金鋼は切れ味が良く研ぎやすい

細かい分類もありますが、これら炭素鋼・合金鋼は総じて切れ味が良く研ぎやすい素材として知られています

錆びやすい欠点もありますが、しっかりメンテナンスができる人にはおすすめの包丁です。

和包丁に使われる素材なので、出刃包丁や柳刃包丁を選ぶときに参考にしてみてください。

ステンレス鋼の特徴

2つ目は「ステンレス鋼」です。

家庭向けの包丁といえばこれですよね。

 

ステンレス鋼の最大の特徴は錆びに強いところ

手入れをしなくても長く使えるという理由はここにあります。一般家庭に広く浸透しているわけですね。

 

ただし手入れが全く不要というわけではありません。

多くの人が切れ味の落ちたステンレス包丁をそのまま使い続けているんですが、定期的に研ぐことで包丁のパフォーマンスも維持できるということを知っておいてもらいたいです。

ステンレス包丁は「中子」が痛まない

ステンレスの包丁が長く使えるのには中子が痛まないという点からも言えます。

中子とは、包丁の柄の内部に挿している部分のこと。鋼は刃よりも先にこの中子が錆びて使えなくなることも多い。

包丁柄の内部に水が入り込むことで、見えぬところから錆びていくケースがよくあるんです。

上記で紹介した炭素鋼・合金鋼は特に注意が必要なんですが、ステンレスならその心配もほとんどないということですね。

ステンレス鋼にも種類がある

ステンレス鋼の中にも種類があります。

鋼材メーカーによっていろいろな規格が作られているんですが、「V金10号」「銀1」「銀3」と呼ばれる規格は良いステンレス鋼として有名。

商品詳細にもここまで詳しく掲載されていることは少ないと思いますが、もし書いてあれば評判を調べてみてから購入することをおすすめします。

特に、高価な包丁を検討している時はここまでこだわりたいですよね。

粉末ハイス鋼の特徴

3つ目は「粉末ハイス鋼」。

ハイス鋼は非常に硬質な素材として知られています。硬度ナンバーワンの鋼材といっても良いでしょう。

ただ組織が粗いのでもともと包丁の刃としては不向きでした。

 

しかし、粉末冶金法と呼ばれる製造法によって作られる粉末ハイス鋼は、組織の粗さもなくなり、耐久性の高い鋼材として包丁にも人気の素材になりました。

その分研ぐのに時間がかかる弱点もありますね。

セラミックの特徴

最後は「セラミック」です。

セラミックの包丁は金属ではありませんが、切れ味もそこそこ良く全く錆びないのが最大の特徴です。

 

ただし、耐久性が低く非常に欠けやすいのが難点

研ごうとしたときは専用のダイヤモンドシャープナーも必要なので敬遠されがちです。

値段は安いので、ほとんど料理をしない人や、サブとして使う包丁として使われることが多いです。